大和シルフィード株式会社第2期決算報告及びWEリーグ参入申請について

いつも大和シルフィードへのご声援、ご支援をありがとうございます。

この度、大和シルフィード株式会社定時株主総会にて、第2期(2021年7月1日〜2022年6月30日)の事業報告及び決算報告が行われ、承認されましたので下記の通りご報告をさせて頂きます。

 

■業績ハイライト

売上60,938千円(前期比:250%)

販管費59,047千円(前期比:225%)

営業利益1,891千円(前期差:+3,741千円)

経常利益2,584千円(前期差:+4,413千円)

 

株式会社を創設後、初の通期となった第2期において黒字での着地となりました。主な成長背景としては、まずは昨年の27社(一昨年18社)から33社へと増加しているパートナー企業の皆さまによる力強いご支援が挙げられます。加えて、この2年間のコロナ禍による無観客試合や、大和なでしこスタジアムが使用できない状況が続いているにも関わらず、22シーズンは8月末時点で合計2,383名、平均340名の皆さまが各地のスタジアムにお越し頂き、有料チケットやグッズのご購入、サポーターズクラブへのご入会等を通じて、温かいサポートを頂きました。パートナー企業、ファンサポーターの皆様、そして日頃ホームタウンとしてご支援を賜っている神奈川県、大和市、関係各位の皆さまに、改めて心より御礼を申し上げます。

引き続き第3期に入り事業面におきましては、22シーズンは空白となっているユニフォーム鎖骨2箇所を中心として、トップパートナー規模にてご一緒頂ける企業様へのアプローチ、そして22シーズンの終盤戦2試合、大和なでしこスタジアムでの開催試合で、これまで以上の多くの皆様にご来場を頂くべく、クラブ一同、取り組んで参ります。

 

■トップチーム/アカデミー

前述の事業規模拡大に伴い、22シーズンは濱本まりん選手とのクラブ初となるプロ契約を締結することができました。大きなプレッシャーもかかる中、8月末時点でリーグ得点ランキング2位につけるなど、チームの中心選手として活躍をしてくれています。また、2部となり増加してしまった遠方アウェイ(福岡、広島、岡山、北海道、等)への遠征を、前泊対応かつ登録18選手フルでの帯同としたり、選手を雇用頂いているパートナー企業各社様のご厚意により平日の休みを頂ける機会が増えたりと、まだまだ足りない部分は多く残されているものの、少しずつ環境面での改善が進んでおります。

肝心のフットボールの内容も、今シーズンは監督も務める高橋和幸さんがフットボールダイレクターに就任以降、常に攻撃的な姿勢のもと、相手を意図的主体的に崩すことやボールを大事にするスタイルなどが根付き始め、得点数の増加という形などで成果が見え始めてきています。何より、スタイルが明確になってきていることで、選手に求められる資質やスキル、成長課題がクリアになり、同時に編成面においてもこれまで以上のスピード感を持って進めることができるようになりました。結果として、シーズン途中でのWEクラブからの中山選手、山本選手の加入、そして来季に向けての源関選手、藤原選手の獲得ということにも繋がっています。

ここからさらにクラブとチームが一丸となり、まずは、2022プレナスなでしこリーグ2部の残り3試合を闘い抜き、1部昇格という大きな目標をクラブ全体で掴み取りたいと思います。

 

そして来季に向けては、トップチームのトレーニング時間を現在の夜間(19時〜)から、午前中へと変更することを検討しております。現在も、多くの関係各位のご尽力により週に複数日、フルピッチのグラウンドを使用させて頂いておりますが、夜間に比べると午前中の方が、圧倒的にグラウンド確保が容易となること、そして選手のコンディション上もメリットが多いためです。正式に決定をした際には、別途ご報告をさせて頂きます。

 

また、アカデミー(U-18、U-15)につきましては、昨年来、期途中でのスタッフの退任など、選手、保護者をはじめ多くの方にご心配とご迷惑をおかけしましたこと、改めてお詫びを申し上げます。4月からは、スフィーダ世田谷FCトップチーム監督等、豊富な経験をお持ちの川辺学さんがU-18監督に就任し、フットボールダイレクターである高橋和幸さん、他の全てのコーチたちと共に、トップからアカデミーまで一貫した指導を行えるよう、体制の整備やコーチ間での情報共有なども進めています。トップチームのみならず、WEクラブ、海外へと羽ばたいていける選手を育てること、そしてそのこと以上に、生涯を通じてサッカーという素晴らしいスポーツを楽しみ、長く続けていくことのできる、そんな選手の育成に、引き続き取り組んで参ります。

 

■社会連携/ホームタウン活動

昨年に引き続き、大和市のご協力のもと、大和市役所本庁舎、ポラリス、シリウス等におけるPR機会、市内全小中学校への大和シルフィードニュース配布機会などを実施しています。また小田急電鉄大和駅ご協力のもと、選手による構内アナウンスの実施や、J:COM湘南・神奈川かながわセントラル局、大和郵便局のご協力のもと、社用車や配達用バイク等へ、大和シルフィードとのコラボステッカーを掲出頂くなど、皆さまの温かいご理解、ご支援により、地域でのクラブの露出が増えてきています。

そしてこの秋からは、大和市立下福田小学校の総合的な学習の時間で大和シルフィードを取り扱って頂くなど、従来の大和市「スポーツだいすき!」(保育園訪問)、横浜F・マリノス「サッカー食育キャラバン」(小学校訪問)、安田物産「シルフィードカレー」(幼稚園、保育園訪問)に加えて、地域の子どもたちとの接点もより増えてきているところです。

 

また今年は、大坂なおみ選手、ナイキとローレウス・スポーツ・フォー・グッド財団のパートナーシップによってつくられたプログラムである「プレー・アカデミーwith大坂なおみ」から助成を受けて、神奈川県と共催での「ガールズエンパワーメントプロジェクト」を実施しました。女の子たちのみならず、男の子や、そして障がいの有無に関係なく、スポーツを通じてそれぞれの好きなことや夢を応援し合うこと、そして参加した大和シルフィードの選手たちがエンパワーメントしていくプログラムを、今年の課題も整理した上で、よりパワーアップさせて継続させていく所存です。

 

 

  • WEリーグ参入申請について

23-24シーズンのWEリーグ新規参入について、今年は申請を見送ることといたします。

主な理由としては、当初よりの大きな課題である「プロ基準のスタジアム確保」(全ホームゲームの80%以上)が難しいという点が挙げられます。

本年1月末に日産自動車株式会社と締結したパートナーシップ契約の一環として、5月28日に国内女子サッカーでは初となる「日産スタジアム」での試合開催が実現したように、この1年、パートナー企業様のサポートや、神奈川県内の各自治体との話し合いにより、プロ基準スタジアムでの試合開催に向けた確保数を一つ一つ積み上げて参りましたが、残念ながら80%以上という壁を超えることはできませんでした。

また、日頃厚いご支援を頂いております大和市からも、大和なでしこスタジアム(現在は2,452席)の改修工事を実施することは困難であるとの回答を頂いており、残念ながら将来的な可能性を示すことも難しいという状況です。

当然、プロリーグ参入にあたってはスタジアム確保に加えて、財務基盤も一層の強化を図る必要がありますが、まずは「プロ基準のスタジアム確保」という課題をクリアしていかない限り、クラブへの期待値に対する大きな投資を呼び込むことにも繋がらないため、引き続き、あらゆる可能性を検討すると共に、WEリーグ参入に向けては決して諦めることなく、クラブを成長させていければと考えております。

 

 

これからも、所属するリーグやカテゴリーに関係なく、社会、企業、地域、女性に元気を届けるという我々のミッションを実現するために、地域に向き合い、地域の皆さまと共に、クラブが一丸となって活動を重ねていきます。

引き続きのご支援、ご声援を、何卒よろしくお願い申し上げます。

 

大和シルフィード株式会社

代表取締役社長

大多和亮介