2021シーズン トップチーム始動に際してのご挨拶

ファン・サポーターの皆さま、パートナー各社さま、ホームタウン大和市、神奈川県の皆さま、いつも大和シルフィードへの熱いご声援、ご支援を頂き誠にありがとうございます。また、新型コロナウィルス感染拡大の中でご尽力されている医療従事者の方々、昨シーズンより各種試合開催に向けてご尽力されている協会、リーグ、各チーム、サッカー関係者の皆さまにこの場をお借りして厚く御礼を申し上げます。

さて、本日1月17日から新生トップチームが始動いたしました。緊急事態宣言下での船出となり、新型コロナウイルス感染症の拡大防止徹底はもちろんのこと、練習グラウンド等の使用制限等にも都度対応しながら、3月下旬のリーグ開幕に向けてしっかりと活動を進めて参ります。

昨シーズンは、2020プレナスなでしこリーグ2部で7位という成績に終わりました。この最終順位にはクラブの誰一人として満足をしていません。しかし、その前年に比べ勝点を13積み上げられたこと、前半戦折り返しとなる第9節終了時点で2位まで順位を上げたことなど、なでしこリーグ2部における2年目の戦いとして、確かな成長と手応えを感じることのできたシーズンでもあったと捉えています。
特に、第5節アウェイ・スフィーダ世田谷戦での終盤の逆転勝利に代表されるような、全員が身体を張って守り、決して最後まで諦めずに走りきる、大和シルフィードらしい「雑草魂」を体現できていたシーンが多くあり、シーズンを通じて選手、スタッフをとても心強く、頼もしく感じました。
一方で、上位クラブと比較すると、得点力、ベンチメンバーを含めた総合力、長いリーグを戦うマネジメント力など、少なくない課題を突きつけられたことも事実です。またクラブ史上初の進出となった皇后杯ベスト16で対戦した浦和レッズレディースは、その技術力の高さもさることながら、先発メンバーの約半分がユース出身選手であり、育成カテゴリーも含めたクラブ全体としての大きな差も見せつけられました。

新たに迎える2021シーズンは、上記の成果と課題を踏まえてトップチームスタッフ体制を組み立てました。まず、同じ大和市をホームタウンとするJリーグの横浜F・マリノスからの指導者派遣として、高橋和幸フットボールダイレクターを迎え入れることとしました。高橋フットボールダイレクターには、中長期的な視点でトップチーム、U18、U15全体の指針を打ち立て、トップチームの強化や現場指導、またクラブ内の全指導者の一層の指導力アップに向けて、これまで培われた多くの経験や実績を注ぎ込んでもらう予定です。
次に、青柳雅人フィジカルコーチには、90分の試合と長いシーズンをフルに怪我なく戦い抜くため、藤巻監督の目指すフットボールに必要な身体の操作性と瞬発性を獲得するための強化を重点的に進めてもらいます。そして、この度、2021シーズンから健康サポートパートナーとして力強いご支援を頂く薬樹株式会社様からは、サポートの一環として、野村スポーツファーマシスト、砂本スポーツファーマシスト、鵜澤公認スポーツ栄養士を派遣頂きます。WEリーグ加入を目指す上で欠かせないアンチドーピングの対応、そして女性アスリートへの支援としてピルの摂取や月経管理の指導などに加え、育成カテゴリーも含めた栄養サポート、地域での健康啓発活動などを予定しています。
また、選手の編成に関しましては、前述の課題を踏まえたプレーの特徴、年齢構成、クラブの出身選手、ポジション別など、あらゆる観点から検討と交渉を重ね、新たな選手の加入に至りました。いずれの選手も、大和シルフィードの掲げる理念に理解を示してくれていますし、現状に甘んじることなく、さらに上を目指して行こうという強い気持ちを持っています。昨年チームを支えてくれた選手たちも含めて、厳しく激しく、これから開幕に向けての競争と、チーム全体での成長を積み重ねて行ってくれるものと信じています。

そして、2021シーズンも昨シーズンに引き続き、佐藤美雪コーチ、小野寺志保GKコーチと共に、藤巻藍子監督がチームを率います。藤巻監督は、昨シーズンのなでしこリーグでは全20クラブ唯一の女性監督として、また現在は新設されたA-proライセンスの受講を通じて、常に国内女性サッカー指導者の先頭を走り、新しい道を拓き続けています。当然、監督の続投理由は昨シーズンの結果と今シーズンに向けた期待値が全てであり、その評価において性別は一切関係がありません。しかし同時に、長く神奈川県大和市を中心に女子サッカーの普及を進めてきたクラブとして、そして女性活躍推進の理念を掲げる「Women Empowerment League(WEリーグ)」を目指すクラブとして、藤巻監督、佐藤コーチ、小野寺GKコーチの活躍が、多くの女子サッカー選手の良き目標となり、サッカー指導者を目指す女性のロールモデルとなっていくことは、ピッチ上の成績と同等に大事であると考えています。
ぜひ、2021シーズンを闘う選手、スタッフに、スタジアムや様々な場所からご声援を頂きたく、何卒よろしくお願いいたします。

最後となりますが、大和シルフィードでは、昨年10月に設立された大和シルフィード株式会社を運営母体として、2021シーズンのなでしこリーグ1部に参戦いたします。1998年のクラブ創設以来、地域の健康や活性化のために活動を続けてきたNPO法人大和シルフィード・スポーツクラブも引き続き存続し、各種のスポーツ教室を中心として活動して参りますので、重ねてお願い申し上げます。

大和シルフィード株式会社
代表取締役社長
大多和 亮介